えなメモ

うるせえ俺のブログだから俺の話をするんだよ

読書記録5月

受験終わったので週に1冊は本読むという目標を立てました。ただの読書備忘録なので物によっては本を紹介する以前の雑なメモ止まりです。あしからず。

君主論
マキャベリについてはほとんどアルケミストシリーズの印象しかなかった。つまりほとんど知識がないに等しかったので、成立背景である序文を読み込んだ。(アルケミストシリーズは最強の力に目覚めた双子が歴史を股にかけ世界の偉人や神々と戦う、ハリポタみたいな海外の児童向けファンタジー小説なので興味のある方は是非。)
政治制度の循環については聞きかじったことがあったけどマキャベリだったのか。古代帝政ローマにも似た考えがなかったっけ?それとも古代ローマを指した喩えだったかな?うろ覚えだ。
すでに君主のあるひとが大きな統一国家を作る時の指南書として書かれているのでこれから国取りをする君主になりきって読んだ。国取りのための方法の隙間から見え隠れするマキャベリ自身の思想が面白い。「…というのは、人はささいな侮辱には仕返ししようとするが、大いなる侮辱に対しては報復しえないのである。したがって、人に危害を加える時には、復讐のおそれがないようにやらなければならない。」
「このことから、一般的な原則が得られよう。(略)ほかの誰かをえらくする原因をこしらえる人は、自滅するということだ。」(3章)
引用しないが4章のある文章など日本の現状に当てはまるのではないかと思った。普段政治関係の文章は読まないだけに興味深かったがやや読みなれなかった。とはいえ、政治学に関心のない君主でも読めるような文章なので多少の歴史の知識があれば文章自体は平易だ。

神さまってホントにいるの?
教授が課題の参考文献に指定してきた本。これ書いた教授の授業を受けている。アニメやゲームやニコニコとかサブカル好きなひとなので喩えがわかりやすい。おそらく10代の子供を想定して平易な文章で書かれていて、宗教というものに全く興味関心がないひとでも読みやすい。宗教に興味があるというひとはとりあえず読んでみて損はしないだろう。面白かったので課題部分だけではなく最後まで読んだ。とある宗教に入信したひとの考えにとても共感するところがあって色々と考え込んでしまった。

知っておきたい我が家の宗教
宗教学で若干仏教に触れて仏教に何の知識もないことに気がついていたので目についた本を手に取ったが当たりだった。
著者の言う我が家の宗教とは日本の独自の信仰スタイルのことで、宗教に対する基礎の基礎の紹介の後、日本仏教の話、キリスト教神道の話、実際の冠婚葬祭の作法へと続く、実用的な雑学の本と言える。
日本仏教は複雑かつ思想の分岐が多いため、慣れない漢字熟語の文が続きやや読むのが大変だったが、それだけに成立過程などが掴みやすく一通り網羅している(と思うが、仏教に対しては本当に詳しくないため比較ができない)。祭式のやり方のところが実用的すぎて手元に置きたいくらいだ。
仏教のところを読むにあたって家が日蓮宗と浄土宗なので特に着目して読んだ。浄土真宗親鸞の思想と、曹洞宗道元の「正法眼蔵」、天台宗の思想が気になった。後ろの参考文献から1〜2冊読んで更に広く仏教の知識を身につけたい。

もー本当に寺山修司が好きで田園に死すは特に見ていて隅々まで好きなので、台本が一冊の本として出版されているとのことで改めて読んだ。作成時の思考メモもついていたけれど後半にいくにつれよく分からなくなってきた。歴史や現実からの逃避をどうして田園に死す独特の形式で表現したのかについて、少しとっかかりが得られた気がする。
草迷宮は映画未見なので今度見る。

生誕の災厄

ルポ 中年童貞
今月読んだ本の中で人に読んで欲しい本ナンバーワン。
「童貞」と聞くと我々はマイナスステータス、それも触れてはならないタブーのように思っているもので、なかなかこの本を手に取ることは難しいかもしれない。だが、まずは背面の本書概要を読んでほしい。このような人は少なからず身近にいたことがあるのではないか。第1章「秋葉原は中年童貞天国」のサブタイトルも見てみよう。

「なかなかパンチのあるタイトルが並んでいるが、オタクの私としては周囲にこんな要素のある人は少なからず存在している。本書では、童貞と呼ばれる人々が中年になった時、いかにして並の社会生活を送るのが困難になるか、それはなぜなのかをインタビューによって解き明かしている。


治療するとカワイクなります 生きがいの精神病理

舞姫タイス
とあるブログで紹介されていたので読んでみたけど、かなりパンチの効いたブラックジョーク本だった。
大まかな筋立てとしては、厳格すぎる生活を送る修道士のパフニュス(30代)が15の頃見た舞姫(当時は娼婦)の誘惑に駆られて「どうしてもあの女を(sinの方の罪)から救ってやらねばならない!」などと言い出し、タイスをキリスト教に回心させるけど、パフニュスはタイスの死の間際に「主の教えよりも恋愛が真実」と悟り悪魔落ちするという話。
パフニュスの堕落は不吉の象徴を見ているのに自分の正しさを信じて疑わずタイスを救った結果のことで、しかも本当は救うという名の下に自分の支配下に置きたい欲が隠しきれてない。しかもその欲に負けている。フェミニスト的には胸のすくような話だったが、同時に形振り構わなくなってしまう悪魔的な熱情の話でもある。キリスト教的な教訓とも、愛の話とも読むことができるので人それぞれといったところか。

その他マンガ(タイトルのみ)
SBR 1
吠えろペン1
SEX PISTOLS1〜2
遊☆戯☆王 古代編
独裁者ジーク 1
(ジャンプは1回買ったし借りて3週分読んだと思う)

総評
今月は哲学思想系に偏ってしまったので来月はもう少しいろんなジャンルの学術的な本を読みたい。哲学科の学生なので偏るのは当たり前といえば当たり前なのだが、特定の部門に縛られて視野が狭くなるのは良くない。特に小説系を読まなさすぎる。ただしまだ何を読むか決まっていないのでこのままではずるずる関連ジャンルの本を読んでしまうだろう。何かオススメがあれば教えてほしい。
もっとペース上げて読んでいきたい。



これから読みたい本買いたい本
生誕の災厄(EMシオラン)
棺桶島を記述する(寺山修司)
オクテ女子のための恋愛基礎講座(アルテイシア)
アダルトチルドレンについて詳しく知ることのできるデータの新しい本(探しています。教えてください)
サイコパス・インサイド―ある神経科学者の脳の謎への旅(ジェームズ・ファロン)
聖書の名画はなぜこんなに面白いのか(井出洋一郎)
三匹の子オオカミ
日本仏教十三宗ここが違う